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ことばのおしいれ

2019/12/04-FNS歌謡祭とテレビ離れ

自宅ではFNS歌謡祭が流れていた。べつに誰かが熱心に見ているというわけでもない。ただ漫然と流れている。テレビとはそういうものだ。

しかし夏とかにもやっているくせに、長時間の歌番組を見ていると年末なんだなという気配が迫ってくるのが分かるので不思議だ。

 

わたしには大学生の妹がいる。妹がアルバイトから帰ってくると、誰も見てないような雰囲気を察してやおらFNS歌謡祭が流れるテレビを消した。この行動には個人的に少し驚くものがあり、なぜなら個人的には「テレビは消す理由が明確になければ(電話する場合とか)漫然と流し続けるもの」として認識されていたからだ。「見てなければ消す」といったキッパリとした態度が新鮮に思えた。

と、同時になるほどこれがテレビ離れなのかとも思った。昨今のコンテンツの傾向はながらやぼんやりとした広範囲のマーケティングから一転集中、スポット的なマーケティングにシフトしてきていると思う。それは媒体そのものが複数人が同時に享受することが想定されるテレビから個人が持つスマホへ移行したからで、逆を言えばユーザーも欲しい情報、欲しいエンタメだけを選択的に拾い、消費する時代になったのだと思う。

そういうメンタリティで行くと、確かに興味のない内容のテレビは消すし、自分の欲しい情報を得るには効率が高くないテレビとは相いれないのだろうと思った。

 

それに加え、自分の価値観がどんどんと古くなってきていることにも気づく。

新しい価値観を知るということは重要で、意識してすべきことではあるが、あくまでも外部から「知る」のみであり、10代20代に構築された価値観がベースになってしまっていることは揺るがない。どうしても、常識と思っていたことがどんどん古くなり、遅れたものとなっていくことに抗うのは難しい。

友人とのやりとりで、わたしが若い子は「王様のブランチ」とか見てるんでしょ?と話すと呆れたように「……それどれくらいの世代のこと言ってんの?」(今の学生世代はそもそもテレビを見ないし、tictokとかインスタで情報収集…なのだろう(もうこの時点で置いてかれている))と返されたことを思い出した。

 

自分ももう若くない…………のだ。