「の」の考察
近未来な言い回しのムーブメントが来ている。実に個人的に。
どんなムーブメントかと言うと、いろんな単語を2つに分割して間に「の」を押しこむムーブメントである。
意味が分からないかもしれないが、そのメソッドにしたがって上の文章を書きなおすとこういった勢いになる。
「どんなムーブのメントかと言うと、いろんな単の語を2つに分の割して間に「の」を押し込むムーブのメントである。」
だいたい理解されたかと思う。ただし個人的には上の「の」挿入はやりすぎの感もある。何事もさじ加減である。
「溝の口話法」と名付ける。溝の口。じつに正統派の「溝の口話法」である。語感の置きといい文字のバランスといい。ツボにぐっとくる。ただし彼は地名だ。
上でもさじ加減の話をしたが、どうにもこの話法には未定義の箇所も多く、実にあいまいでやんわりして、形のない、ソフトで、流動的で、そして消えそうで、個人的で、主観的な概念である(以上西尾維新メソッドである)。どうにも名詞だから入れる!動詞はいれない!と言った感じでもない。コミュニケーションは水モノ。一度きり、ライヴなのである。
まあいろいろウザくなったが、以下の言い回しでここ数日のリアルの会話における「の」挿入の力加減を再現してみたので体験してほしい。
この話法は実にユースのフルである。これをさらっと会話の中にぶち込んでやるだけで、実におもしろい。なぜかおもしろい。クスッと笑ってしまう。日常会話の清涼剤である。
さらにいえば、言葉の意味を実に深く感じることができるのである。単語は「単の語」に分割され、なるほど、「単の語」なのだという理解が一層深まる。
割と傾向としてあるのは、カタカナ語や固有名詞に挿入してやるとなんというかイイ感じになる。アウトのソーシング、石油のファンのヒータ、エアのコン、ららのぽーと、原の宿、ビックのボーイ、ダンのベル、ごちのうさ。
「ららぽーとのビッグのボーイでハンバーグではなくアウトのソーシングしてしまって座席を汚し土下の座していたらごちのうさリアタイ視聴のがした訴の訟。」
(アウトソーシングとか言って皿を関係ないところにソースかけてる画像ほんとすき)
画像さがしたんですがうまくひっかかりませんでしたね…
いずれにしても、「の」を挿入することで新しいニュアンスが見えてくる現象も面白い。ダンのベル。サブのウェイ…サブのウェイかぁ。
とにかく(書くのに飽きた)、言葉に新しい解釈と面白さを吹き込んでくれる「溝の口話法」。おもしろいので皆さんもぜひ日常の生活にぶち込んでみてくだされ。
追記
この面白さ、ルー大柴さんのルー語に通じるものある気がする。
あとさいきん一部のネット業界で見られる「パソ・コン」話法。これも近い気がする。