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ことばのおしいれ

3次元超リアルあの花

遅れながらも、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の実写ドラマを見た。

 

まどろっこしいから「実写あの花」とでも表記するけど、あまり期待していなかったその反動もあって思いもよらず見入ってしまった。

 

意味のないシーンで「心が叫びたがってるんだ」のヒロイン、成瀬順役の声優、水瀬いのりちゃんが出てきたのは笑ってしまったが、思ったより良くできていたように思う。

 

しかしながら、やはりアニメには敵わないなぁとも同時に感じた。

まず空や風景の広がりである。実写あの花では実際の秩父でロケが行われていて、印象的なシーンはアニメ版と揃えようとする配慮も感じられた。

でも、物足りない。

なんでだろう。

同じものを描いているはずなのにどうして美術背景はあそこまで高く深く自然を表現できるのか不思議だ。おまけにアニメは実写と違って2次元で3次元を表現する。そのハンデがあるはずなのになんでなんだろう。リアルを超えるハイパーリアルか。やはりリアルはクソだということだろうか。

 

ついで、めんまの設定について

アニメ版では外国人の母と日本人の父を持つハーフの女の子として描かれており、白髪であるが、実写あの花では当然そんな女の子を用意できるはずもなく、母娘ともども純然たる黒髪日本人に変更されている。

めんまの良さは、その適度に現実離れした「人形らしさ」特殊さに起因する一種の「神聖さ」にある気がしている。だからこそ彼らのトラウマになるし、心にひっかかり続けるのではないかと思っている。また白のワンピ―スこそ実写ドラマでも再現されたが、やはり黒髪の女の子が着ても雰囲気が違う。けど、せりふ回しや動き方はめんまに忠実だし浜辺美波ちゃんかわいい。

 

尺について

これはもうなんというかどうしようもないのだけど、やはり12話1クールでやる「想定」で組んだ内容であり、さらにそれで内容を刷り込まれた自分としては2時間は物足りなかった。ただし2時間でしっかり話はオチていて、どこかのシャー◇ットとは違う。

 

総括すると「実写版もこれはこれでアリだけどやっぱり原作は超えられないノネ」です。実際最後のシーン泣いてしもたし。そうだ、ぽっぽ役の高畑くんもすごい馴染んでたしすごいよかったです。

 

いろいろ言ったけど、これは感想であって、批判ではない。ということだけ言っておかないと面倒なことになりますので、これを読んだ皆さまはぜひ面倒なことにしないでください。